「自治」から「平和」をつくる

2007年11月12日 11時51分 | カテゴリー: メッセージ/神奈川ネット情報紙 視点より

日韓市民社会フォーラム2007に参加して

 アジアの平和をつくりたいと願う日本と韓国の市民が、互いの国に市民社会を育て学び合おうと5年前から始まった「日韓市民社会フォーラム」は、1年ごとに日本と韓国で会場を交代しながら、交流を深めてきました。
 今年は、市民活動の現場で開催することにし、韓国の民主化の原動力になった「光州事件」の現場、光州広域市北区役所の視察も併せて開催されました。人口140万の光州市は、80年5月に起きた軍事独裁政権に対する市民や学生の抵抗運動で、多くの犠牲者を出したことで有名ですが、この事件のもうひとつの側面として生まれた「住民の自治」が20年以上根強く生かされてきたことに驚きました。
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 そのひとつが光州市北区で行われている「住民参加予算制度」です。議会とは別に、住民の代表者が公募などで選出され、生活に関する予算案を作り上げていく「参加型」制度です。光州事件という不幸な歴史を人々が記憶に残すだけでなく、「自治」の歴史として守り育てています。日本の自治体政治に取り組む私たち市民が学ぶべきテーマです。
 もうひとつは、光州事件の犠牲者の母親たちで組織された「オモニ(お母さん)の家」です。今年9月に起きたミャンマーの武力弾圧事件の際には、「オモニ」たちは、ソウルのミャンマー大使館に出向いて抗議行動を起こしています。事件を風化させることなく「民主化」と「平和」と「自治」を育てていました。
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 フォーラム開催と同じ頃日本では、沖縄戦集団自決に日本軍が関与していたことを削除した教科書問題に住民が大集会を開き抗議し、数社の教科書に、日本軍関与の記載を復活させました。戦時中唯一地上戦が行われ多くの住民が犠牲になった沖縄で、光州と同じように住民が歴史を風化させず、「平和」と「自治」を守っています。
 「自治」から「平和」をつくることは、地域に暮らす生活者の政治テーマであることを学び伝えていきましょう。

NET政治スクール理事長 又木京子
【情報紙NET No.265 視点】