市民より軍事優先の安全保障の強行に強く抗議します

2005年10月31日 09時54分 | カテゴリー: 活動報告

 私たちの暮らす神奈川は沖縄に次ぐ基地県です。基地によって影響を受ける地域が多く市民生活にとっては大きな課題であると捉え、私たち神奈川ネットワーク運動(NET)は、「軍事によらない人間の安全保障の構築」をめざし活動しています。
 2年前、米軍再編計画が浮上し、在日米軍基地の機能強化・恒久化につながる内容が聞こえてきました。私たちは、基地やその周辺の座間、相模原、大和、綾瀬、横須賀などに暮らす多くの市民、自治体議員とともに抗議行動を行ってきました。こうした市民による行動を受け、各地域では自治体あげての行動となっており、市民と自治体政府が一体となって、重ねて要請を行ってきています。

 しかし、2005年10月29日、ワシントンで発表された米軍再編中間報告の内容は米軍と自衛隊との一体化を進めて能力を強化しようとするものであり、また時同じくして政府は、横須賀基地に原子力空母の配備という米国政府の決定を安易に受け入れました。いずれも、国民の保護は名目であり、米国の戦略に組み込まれただけにすぎません。
 特に原子力空母の配備は、その危険性の及ぶ範囲が、神奈川県民のみならずさらに拡大されます。唯一の被爆国であり世界の核兵器廃絶に向けてのイニシャチブを発揮すべき立場とは正反対の方針です。アジア諸国との関係の悪化も強く懸念されます。

 中間報告は、各自治体のこれまでの要請を無視した、住民優先ではない、軍事優先の内容です。あたかも決定事項のごとくつきつけてきたことに対し私たちは強く抗議します。今後予定されている地元自治体との協議は、日米両政府で合意した方針を説得するのではなく各自治体、住民の意思を尊重する協議となるよう強く要望します。
 また、原子力空母の配備受け入れは撤回するよう重ねて強く要望します。

                    2005年10月30日
                    神奈川ネットワーク運動
                    市民による人間の安全保障研究会座長
                     大和市市議会議員 伊知地るみ

*NETでは、県内各地域からの抗議文(以下)を添えて、政府に申し入れを行いました。

●相模総合補給廠・キャンプ座間—国は説明責任を!地元の声を聞いて!
 米軍再編について、日米安全保障協議委員会(2プラス2)でのとりまとめの前日に当該自治体に説明に来るという、政府の全く誠意のない姿勢に強い憤りを感じます。また、キャンプ座間には米軍の新司令部と自衛隊の中央即応集団を合わせて約600人の人員増。相模総合補給廠には陸上自衛隊約1,300人を配置するという中間報告の内容は、基地機能の強化、日米一体となった軍事力の強化に他なりません。8月に21万人の署名で、基地問題の早期解決を願う多くの市民の声を届けたにも関わらず、基地強化を一方的に強いられるのでは、日々、基地のフェンスに向き合って暮らしている市民は納得できません。政府は米軍再編の情報を丁寧に地域住民に伝え、その意見を聞く姿勢を持つべきです。<神奈川ネットワーク運動・さがみはら>

●キャンプ座間
 キャンプ座間への米陸軍第1軍団司令部移転問題は長年に渡り基地の縮小・返還を求めてきた座間市にとって基地機能の強化や恒久化につながるとし、この間自治体政府、議会と市民は様々な方法で反対の声をあげてきました。5月には6万人もの署名を日本政府へ提出し十分に地元の意思を踏まえた米国との協議を求めてきました。しかし、地元市民の声を何一つ反映させることなく情報提供もないまま一方的に出された中間報告に対し市民は怒り、不安を抱いています。中間報告ではキャンプ座間に第1軍団司令部を改編した新司令部の設置と新たに陸上自衛隊の中央即応集団の司令部を置くとしています。
 1971年、自衛隊が移駐する際に、国は座間市と自ら覚書を締結しています。この覚書第2条には「キャンプ座間の基地縮小に最大限努力する」としており、今回の中間報告はこの覚書に反することです。国は自らが提示したこの覚書に責任をもち、改めて履行することに努力することを強く求めます。<神奈川ネットワーク運動・座間市民ネット>

●横須賀基地
 米軍に、そして国に裏切られた思いです。今までの交渉は何だったのでしょうか。原子力空母配備通知の28日の4日前に外務省に問い合わせたところ、話し合いに応じている人物の確認はできませんでした。そういうお答えをしておきながら、政府は話し合いを進めていたこと、そして、市長の単なる通常型空母配備要請ではなく前方展開推進派であったこと、がダブルショックです。なぜ、40万を超える署名を軽んじ、米国がしかける戦争に乗って、横須賀が出撃基地にならなければならないのでしょうか。横須賀の港はそもそも私たち横須賀の文化を醸成するところ、経済活性化の場であるべきところです。今回の通知については、堪忍袋の緒が切れました。国においては、速やかに地元自治体との信頼関係回復のために、市長の要請、そして市議会による原子力空母母港化反対決議を取り入れた方向性を見出すべきです。<神奈川ネットワーク運動・横須賀>

●厚木基地
 厚木基地は、綾瀬市、大和市、海老名市にまたがり広大な敷地を占拠しています。また、厚木基地による爆音被害が激しく、爆音防止を求める市民運動は45年間にも及び、自治体あげての要請行動を続けてきております。昼夜を問わぬ爆音が無くなることを多くの住民は望んでいますが、その被害を知っているからこそ、爆音を他の街に移すから良しとは到底思えません。
 中間報告は、空母艦載機を岩国市に移駐させ、それと引き換えに海上自衛隊機が移駐してくるというものであり、負担軽減策であるとのことですが、厚木基地における米軍と自衛隊との一体化による基地機能がますます強化されるわけですから、とても容認できるものではありません。国がすべきことは厚木基地の返還を求めていくことです。<神奈川ネットワーク運動・大和市民会議/神奈川ネットワーク運動・あやせ/神奈川ネットワーク運動・海老名>

●池子米軍住宅
 私たち市民は、私たちが暮らすまちを、地域の平和を、守るために、米軍基地強化を必要としません。米軍へ追随することだけが、あたかも平和を維持することのような説明は、不条理きわまりないことです。
 私たち逗子市民は、米軍基地強化につながる池子米軍住宅追加建設に強く反対し、逗子市が行う「池子の森」裁判を市民の立場で支持してきました。地域の声を無視し、日本のあるべき平和を構築せず、アメリカの意向のみに追随する日本政府に対し、強く抗議します。<神奈川ネットワーク運動・逗子>